OSAKA INTERNATIONAL CHALLENGE
4月2日(水)〜6(日) 大阪府守口市

結果
タイムテーブル(4/1)
4月1日記者会見
4月3日観戦記
4月4日観戦記
4月5日観戦記
4月6日観戦記




【4月1日記者会見】

 間もなく開幕、大阪インターナショナルチャレンジ2008。
 4月1日、夕刻より、出場する日本人選手らの記者会見が行われました。

 会見出席者は以下のとおり。
男子シングルス・田児賢一選手(NTT東日本)。女子シングルス・今別府香
里選手(三洋電機)。男子ダブルス・川口馨士&川前直樹ペア(NTT東日本
)。女子ダブルス・小椋久美子&潮田玲子ペア(三洋電機)。

 それぞれが大会に向けた熱い抱負を語ってくれました。
 田児選手:『去年はこの大会、ベスト8止まりでした。それ以上の成績を収
めるのが目標ですが、ひとつひとつしっかり戦っていけば、優勝も見えてくる
と思います』
 この日、4月1日でNTT東日本の社員となった田児選手。「実感ないっす
(笑)」。
 昨年度一年間、海外で実績を積み上げ、現在の世界ランキングは50位。今大
会、堂々のナンバーワンシードです。

 今別府選手:『目標は優勝ですが、勝ちにこだわり過ぎると、試合中、固ま
ってしまうので、意識しないように戦いたいです。調子は良いと思うのですが
、良いと思うと、これもなかなか良い試合ができないので、「私は調子が悪い」
と思って戦います』
 昨年度の全日本社会人、全日本総合の優勝者。3月にはクロアチア国際、
ポルトガル国際と2週連続優勝を遂げています。今大会も優勝して、3大会連
続優勝を狙っています。

 川口&川前ペア:
川口選手:『多くの海外大会に出場して、経験を積ませてもらいました。その
結果の第1シードだと思っています。とはいえ、けっして楽な戦いではありま
せん。挑戦者の気持ちを失わずに試合をのぞみたいと思います』
川前選手:『ナショナルチームからの出場ペアは僕らだけなので、そのプライ
ドをもって戦いたいと思います』
こちらも昨年度全日本総合王者ペア。昨年韓国ペアに奪われた覇権を、ぜひ勝
ち取って欲しいものです。

 小椋&潮田ペア:
 小椋選手:『ヨーロッパ遠征から帰ってきて、じっくり中身の濃い練習がで
きました。この大会のために、というより、この先の北京五輪を見据えた練習
でもあったのですが、それでも、そういう練習をこなしてきたという点で、こ
の大会では自信をもって戦えると思います。地元・大阪での大会でもあります
。見に来てくれた皆さんに、良い試合がお見せできるよう、頑張ります』
 潮田選手:『オグッチも言ったように、良い内容の練習を積んできました。
それでも第2シードの韓国ペアは要注意です。世界ランキングは15位ですが、
昨年のヨネックス・ジャパン・オープン(YOJ)で敗れた相手です。昨年の
大会では準優勝に終わったという悔しさもあります。優勝を目指し、油断せず
、勝ちにこだわって戦います』
 昨年のYOJで苦杯を舐めた相手が今大会の第2シード、HA Jung Eun &
KIM Min Jung 組です。
 それでもYOJから2か月後、フランス・スーパーシリーズで対戦したとき
には、しっかり勝っています。
 地元開催の大阪インターナショナルチャレンジ。“オグシオ”の活躍に期待
しましょう。

 この会見の後、マネージャー・ミーティングが行われ、ドローが正式に決定
しました。協会のHPからも見られますので、詳細をチェックして下さい。

 2日の予選から、いよいよ大会がスタートします。ぜひ、会場に来て、ライ
ヴでバドミントンを楽しんで欲しいと思います。

                          取材・文/ライター・佐藤純郎

【4月3日観戦記】

 大阪インターナショナルチャレンジ 大会2日目

 3日午前から、いよいよ本戦が始まりました。
 男子シングルスの第1シード、田児賢一選手(NTT東日本)が登場しました。
相手は、LIN Yu Jin(TPE)。
第1ゲーム序盤こそもつれましたが、ウォーターブレイクを機に一気にブレイク。
10−9から連続9ポイントを上げ、このゲームを奪う(21−12)と、その勢いを
第2ゲームにも持続させ、10本に抑え込み、まずは順当に1回戦、勝利しました。

 田児選手の話 『立ち上がりにもつれたのは、僕が固かったから。でも、それは
予想していたことなので、焦りはありませんでした。中盤以降に突き放せましたが、
次もこう上手くいくとは限らない。体調もまずまず。また気を引き締めて次の試合
にのぞみます』

 その言葉どおり、この日2試合目となった早坂幸平選手(日本ユニシス)に冷静
に対処。12本、9本で勝利しました。これでベスト8進出。まずは順調に初日を終
えました。

 さて、今大会の最注目は、やはり小椋久美子&潮田玲子ペア(三洋電機)です。
ご存知"オグシオ"のふたりです。
現在、日本人選手で唯一、北京オリンピックの出場権を確定させているペア。昨年、
この大会では準優勝に終わり、今年こそはと、優勝を狙っています。
2回戦からの登場です。橋本由衣&福万尚子ペア(青森山田高3年&樟蔭東高2年)
という高校生ペアと対戦。

小椋選手:『出足はやはり少し緊張しました。その影響で自分たちのプレイができ
なかった。でも、後半は自分たちの持ち味のスピードが出せた思います』
潮田選手:『最初の方は、高校生の方にも勢いがありました。それもあって、自分
たちのプレイができませんでしたね』

 相手ペアのひとり、福万選手は、三洋電機が主催する大東ジュニアバドミントン
クラブの出身。そのことには当然、二人とも気づいていたそうです。
小椋選手:『自分が高校生の頃は、こんな球は打てなかったなあ、などと考えてい
ました』
潮田選手:『大人の大会で試合ができるようになるなんて、不思議な感じでしたし、
楽しみでした』

 実はこの試合、福万選手のサービスから始まったのですが、そのサービスを潮田
選手がレシーブミスしたのです。コート奥に打ち込まれたロングサーブでした。
ミスした瞬間、潮田選手の顔には、満面の笑顔を浮かんだのでした。
潮田選手:『あれは完全に意表をつかれました。実は試合前にオグッチに「ロング
サービスには気をつけようね」って言われてて、それをミスした瞬間に思い出して、
(笑いを)ガマンできなかったのです』
小椋選手:『試合前に、気をつけようねって、言ったのに、何やってんのかなあって
(笑)』

 と、記者会見場は笑顔に包まれたものです。が、今後の試合の話になるとやはり
真剣でした。

小椋選手:『この大会は地元で年に一回行われる国際大会です。私の中では、とて
も大切にしている大会です』
潮田選手:『地元ですから、たくさんの人たちが見に来て下さいますから、その多く
の人たちの前でいいプレイがしたい。そういう思いでいっぱいです』

 多くの期待を担いながら、きちんと結果を残し、大勢のファンやメディアの前でも
笑顔を絶やさない"オグシオ"のふたり。明日以降がますます楽しみになりました。

 さて、同じ女子ダブルスで、個人的に注目したいペアが現れたので紹介します。
 脇坂郁&三木佑里子ペア(三洋電機)です。
 ご存知の方も多いかと思いますが、脇坂選手のパートナー・多谷郁恵選手は
昨年末、日本リーグの最終戦でケガをし、現在、リハビリ中です。
 多谷選手が不在中、この大会でペアを組んだのは、4月1日に正式な三洋電機
社員となったばかりの三木選手でした。

脇坂選手:『ペアとして練習したのは3月31日から3日間だけでした。でも、自分
たちの動きをビデオに撮って、お互いに意見を交し合ったりして、内容の濃い3日間
でした。でも、ぶっつけ本番もいい所ですよね(笑)』

 そんなペアの初戦の相手は、藤井瑞希&垣岩令佳ペア(NEC九州)。06年のイン
ターハイ優勝ペアです。
 しかし、立ち上がりから試合をコントロールしたのは脇坂&三木ぺアでした。新人
の三木選手も先輩とのペアリングに臆することなく、堂々としたプレイで、強烈な
スマッシュを叩き込みました。
 結果は21−15、21−17。脇坂&三木ペアの完勝でした。
 こういう勝負があるのも、バドミントンの不思議さ、奥深さなのだろうなと思ったの
です。昨年の日本リーグ終盤以降、脇坂選手の躍進ぶりに注目していただけに、
今日の勝利は、さらに僕の関心を刺激してくれました。

脇坂選手:『時間が経つにつれ、即席ペアのアラは出てくると思います。でも明日は
ベスト4をかけた試合ですから、今日以上に思い切って挑みたいですね』

 その相手は、今大会の第2シード、ハ・ジュンユン&キム・ミンジュン組(韓国)
です。強敵です。それでもダブルスの面白さを、またひとつ教えてくれた脇坂&三木
ペアを応援したいものです。

 明日は各種目のベスト4が決まります。一気にヒートアップします。ぜひ、会場に
足を運び、ライヴ観戦でバドミントンの魅力に触れて下さい。

【4月4日観戦記】

 大阪インターナショナルチャレンジ 3日目

 この日は、ベスト4進出をかけて、熱い戦いが行われました。
 そんな中で、男女シングルスに波乱が……。

 まず男子。第1シードの田児賢一選手(NTT東日本)は、同じチーム
の山崎公洋選手(NTT東日)と対戦。
 第1ゲームを9−21で落とす、苦しい立ち上がり。第2ゲームも序盤から
リードを許しましたが、ここはなんとか21−16で奪いました。
 どうにかタイに持ち込んで、ここから立ち直るかと思われたのですが、
17−21と競り負けてしまいました。高校を卒業して社会人となって初の大会
でしたが、悔いの残る敗戦となりました。
ベスト4の顔ぶれは、その山口選手。サエンソンボーンスク選手(タイ)。
佐伯浩一選手(NTT東日本)。古財和輝選手(トナミ運輸)です。

 続いて女子シングルス。
 コートサイドに多くのカメラが並んだのは、今別府香里選手(三洋電機)
の試合でした。
昨年の全日本社会人、全日本総合を制した今別府選手。
今年になってからは3月に、クロアチア国際とポルトガル国際で、2大会
連続優勝と勢いに乗って迎えたこの大会。周囲の期待と注目も高くなって
います。
 しかし、この日の試合で乗っていたのは、対戦相手の関谷真由選手(早
大4年)でした。長身、長いリーチを活かし、今別府選手の攻撃を分断し
ていきます。
「関谷選手の上を越えるショットを打ちたかったのですが、上手くいきま
せんでした。それが焦りにつながって、ミスを重ねてしまいました」
 と、試合を振り返った今別府選手。悔し涙で目元が潤んでいました。
 第1シードの藤井瑞希選手(NEC九州)も苦しい試合となりました。
 相手は韓国のペ・ヨンジュ選手。小柄ながら、スピード感溢れる選手で
す。韓国人選手の特長である粘り強さも兼ね備えています。
 しかし、そんな相手に対し、藤井選手、順調な立ち上がりでした。第1
ゲームは21−18。ポイントは競りましたが、藤井選手の好調さを感じさせ
る内容でした。
 第2ゲームも中盤までは藤井選手のペースだったのですが……。
 ここから世界ジュニア2位の実績を持つペ選手の反撃が始まりました。
逆に21−19で競り勝つと、ファイナルでは一気にスピードアップ。最後は
21−13で、1時間5分の長い試合をモノにしました。
 藤井選手、最後はペ選手の粘りに屈したという印象です。

 女子シングルス、ベスト4の顔ぶれです。
 今井幸代選手(NEC九州)。関谷真由選手(早大4年)。樽野恵選手
(NTT東日本)。
ペ・ヨンジュ選手(韓国)。
 樽野選手:「本当は久々に藤井選手と試合がしたかったのですが、それ
が残念です。でもこうなった以上は、藤井選手の分も頑張って勝ちたいで
す」

 男子ダブルスのベスト4の顔ぶれ。
 第1シードの川口馨士&川前直樹ペア(NTT東日本)。遠藤大由&山
田和司ペア(日体大4年)。数野健太(日本ユニシス)&早川賢一(日大
4年)ペア。第2シードのコー・スンヒュン&クォン・イーグー(韓国)。
 実績では川口&川前ペアがリード。しかし韓国ペアも侮りがたい相手で
す。

 女子ダブルスは、シード勢が順調に勝ち上がっています。
 小椋久美子&潮田玲子ペア(三洋電機)。伊東可奈(ヨネックス)&
内藤真実(日体大4年)。松尾静香(三洋電機)&今別府靖代(ヨネック
ス)ペア。ハ・ジュンユン&キム・ミンジュン(韓国)。
 シード勢に割って入ってきた伊東&内藤ペア。ドロー運にも恵まれまし
たが、ふたり共長身で、その特性を活かしたプレイが持ち味でしょうか?
 今日は、“オグシオ”に挑みます。
 韓国ペアも順調。世界ランキングは15位ですが、粘り強さとパワーを感
じさせるペアです。
 そして“オグシオ”のお二人。この日もコートサイドにはたくさんのカ
メラが並びました。加えて、観客の方々の熱い視線を一身に集めての試合
でした。
 試合の方はタイのペアを圧倒しました。第1ゲームは試合開始から14ポ
イント連続奪取。相手がやや球慣れした第2ゲームは15本を許しましたが、
どこにも危うさを感じさせない試合でした。

 試合後の会見です。
潮田選手:「1ゲーム目から良い内容の試合ができました。体調はけっし
て万全ではないですが、コートの中に入れば、良い動きができていますか
ら、問題はないですね。この大会はオリンピックを前に、地元の方々に私
たちのプレイを見てもらえるという嬉しさがあります」
小椋選手:「第1ゲームは、どこに打っても決まるな、という感じでした
が、第2ゲームになると、相手のレシーブが良くなったことが、向こうに
得点を許した理由です。明日は、個人的な理由ですが、家族が応援に来て
くれるので、また良い試合ができるように頑張りたいです」

 最後にミックス・ダブルスです。ベスト4の顔ぶれです。
 コー・スンヒュン&キム・ミンジュン(韓国)。平田典靖(トナミ運輸)
&松尾静香(三洋電機)ペア。和田周(埼玉栄高3年)&松友美佐紀(聖
ウルスラ学院英智高3年)ペア。クォン・イーグー&ハ・ジュンユン(
韓国)。
 高校生ペアが勝ち上がっています。平田&松尾ペアは準々決勝でタイの
ペアを逆転で破りました。
 そしてふたつの韓国ペアですが、それぞれが男女ダブルスで勝ち上がっ
ています。韓国のダブルス、強い!

 さて、週末です。お花見日和ですが、バドミントン観戦も楽しい。
 ぜひ。ご来場下さい。

【4月5日観戦記】

 大阪インターナショナルチャレンジ 4日目

 各種目の準決勝が行われました。
 まずはミックスダブルスから。
 平田典靖(トナミ運輸)&松尾静香(三洋電機)ペア 対 コー・スンヒョン
&キム・ミンジュン(韓国)。
 勝敗を分けたのは第1ゲームに尽きます。28−26。長い長いゲームを制したのは、
平田&松尾ペアでした。
「あそこが山でしたね。第1ゲームを取られていたら、そのまま行かれたと思います。
粘れて良かった。それと相手の男子選手を左右に振る作戦をとったのですが、それが
上手くいきました」
 と、笑顔の松尾選手。
「決勝戦の相手、韓国ペアの情報はないのですが、ここまで来たら、優勝を狙いたい。
平田選手とも、“明日も頑張ろう”って声を交わしました」
 実はこのペア、ふたりとも試合中、本当に寡黙です。黙々と試合を進めるのです。
それでも今日の試合、珍しく(?)松尾選手、声を発していました。
「さすがに今日は気合いが入りました」
 明日の決勝戦でも、そんな松尾選手が見られればと思います。
 高校生ペアの和田周(埼玉栄高3年)&松友美佐紀(聖ウルスラ学院英智高2年)が
挑んだもう1試合は、残念ですが韓国ペアの前に屈しました。

 次は女子シングルスです。
関谷真由選手(早大4年)と、樽野恵選手(NTT東日本)が決勝戦に駒を進めました。
 関谷選手 対 今井幸代選手(NEC九州)。
 169cmの長身を活かし、関谷選手が粘り強いプレイで今井選手を下しました。
 第1ゲームはゲームポイントを握られた14−20から追いつき、逆転です(23−21)。
「こういう国際大会で、点差を離されて負けるのは恥ずかしいなって思って。ラリー
ポイントでゲームポイント取られたらシンドイです。でもそれで気持ちが逆に吹っ切れた
気がします」
第2ゲームも激しい攻防が続きましたが、競り合いを抜け出したのは、関谷選手でした。
 1回戦の相手は、ナショナル・ジュニア候補、栗原文音選手(日本ユニシス)でした。
「高校の後輩だったので、負けたくないという気持ちが強かったです」
 ファイナル、18−20からの逆転勝ちでした。2回戦を勝ち上がって、3回戦は全日本
総合女王、今別府香里選手(三洋電機)と対戦です。
「あの試合は、私はミスが少なく、今別府選手の方にミスが多かった。それが勝因です」
 そして、今日の準決勝でも勝利。残るは決勝戦となった。
「こんな雰囲気の中で試合をしたことがないので無茶苦茶緊張すると思います。相手の
樽野選手とは、昨年の全日本総合で対戦したのですが負けました。なので、思い切って
行くだけです」

 その樽野選手。ペ・ヨンジュ選手(韓国)との試合は、1時間を越える長い試合になり
ました。
「競る試合になるのは、あらかじめ予想はしていました。愛先輩(後藤愛選手=NTT東日本)
も瑞希(藤井瑞希選手=NTT東日本)も、競っていましたから。でも2ゲームで終わらせなく
てはいけない試合でした」
 息詰まる接戦の末、互いにゲームを取り合い、迎えたファイナル。一時は11−15とリードを
許しますが、5連続ポイントで16−15と逆転を果たします。それでもまだ、ぺ選手はあきらめ
ず、ギリギリの競り合いが続きました。
 最後は21−19で決着です。
「決勝戦は向かって行く気持ちを忘れずに戦いです。相手に対してというより、自分のバドミ
ントンができるようにしたいです」

 男子ダブルス。決勝戦は日韓対決です。
 日本代表は第1シード、川口馨士&川前直樹ペア(NTT東日本)です。
川前選手「昨日の試合からレシーブが安定してきました。今日はそれを生かしたナイスゲーム
でしたね。ここまでは日本人ペアには負けられないというプレッシャーを感じていましたが、
明日は韓国ペアが相手。動き回って、思い切ったプレイがしたいと思います」
川口選手「韓国のダブルスの特長はしっかりしたレシーブから、じっくりチャンスをうかがい
ながら攻めてくる。こちらはそのペースに合わせないようにしたいですね。男子ダブルスの
日本代表として、(同じナショナルチームで)遠征中の舛田さん(圭太)や大束さん(忠司)
に(トナミ運輸)、留守は守りましたって、良い報告ができるようにしたいです」

 男子シングルスは佐伯浩一選手(NTT東日本)とサエンソンボーンスク選手(タイ)が
決勝進出です。
 佐伯選手「ナショナルチームを外され、しばらく落ち込んでもいたのですが、ようやく気持ち
を切り換えてのぞむことができた大会です。ここまで日本の若手との対戦が続いていますが、
やっぱり負けられない気持ちが強い。明日は自分の力を出し切れれば、結果はついてくると思い
ます。カギは、自分からミスを犯さないことです」

 そして、注目の女子ダブルスです。
 決勝進出ペアは、ハ・ジュンユン&キム・ミンジュン組(韓国)。そして、“オグシオ”。
小椋久美子&潮田玲子ペア(三洋電機)が危なげなく勝ち上がりました。
 小椋選手「今日の試合は攻め急ぐこともなく、冷静に試合を進めることができました。角度の
あるスマッシュも打たれましたが、レシーブには自信があったので、対応できました」
 潮田選手「攻め込まれる場面もあったと思いますが、オグッチも言ったように、レシーブには
自信がったので、そこから崩されることはありませんでした」
 韓国ペアとは1勝1敗。明日が決着戦となります。
優勝が当然のように期待されながら、プレッシャーを上手くかわしながら勝ち上がりました。
明日の試合は、一気に世界レベルにまで上がります。女子ダブルスの面白さやレベルの高さを、
存分に味わえる試合になると思います。

明日は最終日。各種目で決勝戦が行われ、日本人選手が多く登場します。
ご期待ください。

【4月6日観戦記】

大阪インターナショナルチャレンジ  最終日

 4月2日に始まった大会も最終日を迎えました。
 会場となった大阪・守口市民体育館前は、朝早くから開場を待つ観客の行列
ができる盛況ぶりでした。開場直前には、その行列は500mほどにも延びていました。

 そうした観客の熱い期待と視線のもと、まずはミックスダブルスから決勝がスタート
しました。

 ミックスダブルス
 クォン・イーグー&ハ・ジュンユン(韓国) VS 平田典靖(トナミ運輸)&松尾静香
(三洋電機)ペア  22−24、13−21
 第1ゲームがすべてでした。準決勝と同様、韓国ペアとの対戦となった平田&
松尾ペア。試合展開も同じように、第1ゲームから大接戦となります。
「第1ゲーム、あそこで取り切れなかったことが響きました。第2ゲーム、なんとか
したかったのですが、立ち上がり、ふたりともミスをしてしまって、リズムに乗れな
かった」
 と、肩を落としたのは松尾選手。
「決勝戦に残ったのは昨年のインドネシアのサテライト(女子ダブルス・今別府靖代
選手=ヨネックスと出場)以来です。そのときも負けていて、良い所まで行っている
のに、勝ち切れないところが今後の課題です」
 この悔しさをバネに、更なる飛躍を期待したいものです。

 女子シングルス
 樽野恵選手(NTT東日本)VS 関谷真由(早大4年)
   21−16、21−15
 実績で勝る樽野選手が決勝戦を制しました。
「決勝進出が決まって、滅多にないことなのですが、昨夜は緊張してなかなか眠れま
せんでした。それでも試合が始まってからは、シングルスの戦い方の基本どおり、
4隅を攻めていこうと。これからは海外遠征とか、世界と戦う機会が増えると思うの
で、出た大会でしっかり勝って、世界ランキングを上げていきたい」
 嬉し涙を滲ませながら、トレードマークの笑顔いっぱいに答えてくれました。
 一方、悔し涙を滲ませたのは、敗れた関谷選手です。
「動きも良くなくて、思うような試合ができなかったのが悔しくて……。こんな大きな
舞台で試合をするのは、本当に初めてのことだったので、凄く緊張していました。
でも、動くスピードなら自分が(樽野選手を)上回っていると思っていて、速い展開
にもっていきたかったのですが、それができなかった」
 初めての大舞台で結果は出せませんでしたが、貴重な経験を積んだことでしょう。
現在大学4年生。
「卒業後もバドミントンを続けていきたい」
 レベルの高いチームでのチャレンジを望んでいます。

 男子ダブルス
 コー・スンヒュン&クォン・イーグー(韓国) VS 川口馨士&川前直樹(NTT東日本)
  21−18、21−9 
 会場に衝撃が走りました。川口&川前ペア、完敗でした。
第1ゲームこそ得点は競りましたが、試合展開は終始、韓国ペアで進められました。
第2ゲームに入ると、スピードアップさせた韓国ペアが川口&川前ペアを圧倒。
わずか9本を与えただけで試合を決めてしまいました。
「サービス回りがすべてでした。向こうは立ち上がりから、速いテンポでサービスを
打ってきました。それに合わせてしまったことが敗因。それに気づいて、サービスの
際、ゆっくり構えるとか、対策を考えたのですが、向こうの勢いを止められませんで
した」
 と、川口選手は唇を噛み締めていました。一方、パートナーの川前選手。
「(韓国ペアは)パワーがあったと思います。向こうがそれを生かしてペースを上げ
てきたとき、こっちは結果的に引いてしまった。もう少し長いラリーを仕掛けてくる
と予想していたのですが、そういう展開にはならなかったですね。リズムにも乗れず、
不甲斐無い試合をしてしまいました」
 ナショナルチームのプライドを賭けて優勝したい、と語っていた川口&川前ペアで
すが、惜しくも準優勝に留まりました。

 男子ダブルス
 佐伯浩一(NTT東日本) VS タノンサック・サエンソンボーンソク(タイ)
  21−13、21−12
 男子ダブルスの結果で、元気を失った会場を一変させてくれたのは、佐伯選手の
快勝でした。
大きなタイ国旗と太鼓の物静かな連打、加えて声援を背に受けて決勝戦まで勝ち上
がってきたサエンソンボーンソク選手でしたが、佐伯選手のスピードと巧みさに一蹴
された形となりました。
昨年11月の全日本総合で敗れ、ナショナルチームのメンバーから外れたショックから
立ち直り、その初戦となった国際大会で最高の結果を残した佐伯選手。
「これまでは自分のミスでリズムを崩し、負けるのが僕のパターンでした。動くこと
には不安はなかったので、ミスさえ犯さなければ、十分に戦えるという自信はありま
した」
 今シーズンは、スーパーシリーズなどの国際大会に出場することは難しいのでしょう
が、もう一度じっくり捲土重来のチャンスをうかがって欲しいものです。

 そして今大会のクライマックスとなる試合を迎えました。
 女子ダブルス
 小椋久美子&潮田玲子ペア(三洋電機) VS ハ・ジュンユン&キム・ミンジュン
(韓国)
  20−22、21−8、21−13
 昨日の試合後から周囲には潮田選手のコンディションを懸念する声が聞こえていま
した。関係者の中には、できればキャンセルしたいのだが、と話す方もいて、事の
深刻さが伝わってきたものです。
 しかし決勝戦とあって、何事もないように出場してきた潮田選手、さすがと言うしか
ありません。
 それでも試合開始直後は、潮田選手自身の不安が動きに出ていたように見られました
し、小椋選手のカバーリングが積極的で、少しでも潮田選手の負担を軽減させたいと
いう意欲が感じ取れました。そういうプレイができるのも、ダブルスならではと言え
ます。
 試合の方は、競り合いながらも“オグシオ”ペースで進んでいました。
20−17とゲームポイントを握ったときも、このまま押し切るのは間違いなしという雰囲
気が会場に溢れていたものです。
ところが、ここから韓国ペアが粘りを発揮。一気に5連続ポイントで、このゲームを
逆転してしまいました。会場の雰囲気は一変。重苦しい空気が流れます。
「ゲームポイントを握ってから、攻め急いでしまいました」(潮田選手)
「それでもインタバルで、気持ちを切り替えることができました」(小椋選手)
通常ならば、こうしたゲームの奪われ方は後遺症が残るはず。しかし、国内外の大会で
経験を積み重ねてきた“オグシオ”です。見事な切り替えでした。
第2ゲームは序盤で握ったペースのまま、奪い返します。
「向こうは長いラリーを嫌がっているのがわかったので、球をつなぐようにしました」
(潮田選手)
 深いクリアーショットを多用し、韓国ペアが嫌がっていたという長いラリーの打ち合
いに引きずり込みます。焦れた相手は、ミスを重ねるようになりました。
そして迎えたファイナル。競り合ったのは中盤まで。チェンジコートを境にペースアッ
プ。安定したレシーブをベースに、ここでもクリアーショットでラリーに持ち込み韓国
ペアのミスを誘発。加えてスピード、パワーでも圧倒します。
終盤にはそれまで抑え気味だった潮田選手が強烈なスマッシュを全開。小椋選手も
気迫溢れるショットを相手コートに叩き込みます。
ウィニングショットは潮田選手の絶妙なカットショット。完璧にコントロールされた
シャトルが、ふわり、コートに舞い降りました。
「腰に違和感があって、コンディションに不安を抱えたまま迎えた大会でした。でも、
それがかえって、ムリをしないで戦えて、好結果を生み出したように思います。今は
ただホッとしています」(潮田選手)
「遠征から帰って来て、国内でしっかり練習できたこともあって、私は良いコンディ
ションで戦えた大会でした。最高の結果を残せて良かったです」(潮田選手)

 北京五輪出場権を確定させた“オグシオ”ですが、来週から始まるアジア選手権
(マレーシア・ジョホールバル 4月15日〜20日)に出場予定です。
5月になると、8日から国別団体対抗戦(トマス杯=男子、ユーバー杯=女子)が
インドネシア・ジャカルタで開催されます。この大会は、日本女子にとって2年前の
リベンジがかかる重要な大会です。
北京五輪を見据えながらも、スケジュールはハードです。疲労回復とフィジカル力の
アップをいかにこなしていくか。それもまた重要なテーマとなるでしょう。


 2度目の開催となった大阪インターナショナルチャレンジは観客も数多く訪れ、
盛況の内に無事に全日程を終了しました。
「私たちがポイントを上げたときだけでなく、良いプレイに拍手をしてもらえたこと
がとても嬉しかった」(オグシオ談)
 徐々にではありますが、バドミントンがスポーツファンに浸透してきたということを
実感できた大会でもあったように思います。
 今年はオリンピックレースの最終局面ということもあり、ナショナルチームメンバー
の参加が限られました。しかしその分、多くの選手にチャンスがあった大会でした。
 それが今大会を盛り上げてくれた大きな要因だったように思います。
 また来年、さらにレベルアップした大会になることを期待して、『大阪インター
ナショナルチャレンジ2008』の観戦レポートを終えたいと思います。

                            (取材・文/佐藤純郎)