第67回 全日本総合選手権大会

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大会概要ページ

12月7日(土)準決勝観戦記

男子シングルス

上田 拓馬(日本ユニシス) 21-16 / 21-18 佐々木 翔(トナミ運輸)

若手のホープ上田がついに強敵佐々木を破る

2007年のこの大会で優勝、昨年も準優勝と常にこの大会で上位に食い込む佐々木はロンドンオリンピックでもリン・ダン(中国)とファイナルゲームの熱戦を演じている。これに対し上田はこれまでベスト4入りが最高で初めての決勝進出を狙う。
第1ゲームの序盤は神経をすり減らすようなネットショットの応酬や、強烈なスマッシュをお互いに決め、11-9と僅差で上田がリードする。インターバル後、上田がスマッシュやプッシュを連続して決め、リズムをつかむと連続3ポイントを奪って14-9と佐々木を突き放す。しかし、このレベルの試合では大差をつけて押しきることはなかなか難しい。上田のスマッシュやドロップのミスもあり18-16と佐々木が詰め寄る。ここで上田は落ち着いてネット前の攻防で19点目を奪うと、最後はスマッシュを続けて決め結局21-16でこのゲームをとった。
第2ゲームの序盤もお互いに譲らない緊迫したゲーム展開となる。上田は佐々木の強烈なスマッシュをダイブしてレシーブしてラリーを続ける。これに対し、常に追う立場の佐々木は何とかリズムを変えようと、6-9で迎えたサーブでこの試合唯一のロングサーブを放つ。これが功を奏したのか結局このラリーは、上田がロブをアウトにし佐々木が追い上げ態勢に入りついに11-11の同点にする。このまま佐々木のリズムでいくかと思われたが、上田はボディアタックや力みのない8割くらいのスピードのスマッシュを決める。さらに佐々木のライン際の判断ミスもあり再び自分のペースに引き戻し16-13とする。佐々木は「インターバルを過ぎてからやっと集中できた。」と振り返るように必死の追い上げ一気に18-16と逆転する。多くの観衆がこれまでの実績から考えてファイナルゲームを予想する点数の推移であった。しかし、ここで上田はスマッシュ&ネットを決め1点差にする。佐々木は多少焦ってしまったのかクロスのスマッシュをアウトにしてしまい18-18の同点に追いつく。こうなると追い上げる強みで上田がネット際のショットをネットインさせ勝利が近づく。上田は必死のダイブレシーブで粘りを見せ、長いラリーも最後は佐々木がプッシュをアウトにしてしまい20-18とマッチポイントを握る。上田はここで渾身のスマッシュを決め、息詰まる50分の試合を制した。上田はコート上に仰向けに倒れて強敵を破った喜びを体いっぱいで表現した。
試合後上田は記者会見で、「3回目の準決勝で絶対勝つという強い気持ちで臨んだのが良かった」と振り返った。そして「相手が佐々木選手なので守備に回らないよう攻めていくことを心がけ、それがうまくいった」と語った。「明日はすべての面で実力が高い田児選手なので向かっていく気持ち勝利を目指したい。」と述べた。
敗れた佐々木は「年齢的にも立場的にも決勝に残らねばという気持ちがいつもより強かったので残念です。」とコメントした。

 

田児 賢一(NTT東日本)2(21-18、21-12)0 桃田 賢斗(NTT東日本)

男子シングルス準決勝は注目の好カードとなりました。
若手の成長株ナンバーワンの桃田選手。
迎え撃つのは男子シングルスにおいて、前人未到の6連覇に挑む田児選手。
共に"世界"を目指す逸材同士の対戦です。
いつもながら思うのですが、田児選手の試合巧者ぶりは心憎いほどです。
この日もけっして気負うことなく、静かな、落ち着いた様子で試合をスタートさせました。そして、それは桃田選手が望んでいたのとは明らかに異なる様相だったのです。
桃田選手は試合後、
「速い展開の試合になれば、僕にもチャンスはあると思っていました。でも、田児先輩は最初から大きい展開の試合をしてきました」
仮に桃田選手が田児選手を上回れる部分があるとすれば、それは速さなのかもしれません。けれど、ゆったりとした、大きな展開となれば、テクニックや経験、フィジカル等々、様々な要素での勝負となります。田児選手の方が今はまだ、上手でした。
第1ゲーム。日本人同士の試合ではよく見られるのですが、田児選手はけっして早急な勝負には出ません。慎重過ぎるほど慎重に球を散らし、相手の球筋を見極めようとします。自ら仕掛ける場面も、強打を放つことも少ない。
なので得点だけを見ると競っているように思える。けれど、21-18で終わったゲームだったにもかかわらず、ペースは圧倒的に田児選手のものでした。
「僕の球は田児先輩に全て知られています。けれど田児先輩の球を僕は分からない」
矛盾するような桃田選手の言葉ですが、付則してくれました。
「ディフェンスや球に対する体の入れ方。上から打つときの威圧感など、球筋を読むことが難しいです」
インタバルの11点目を先取したのは桃田選手でした。しかし田児選手は、再開後、即座に13-11とひっくり返します。4連続ポイントで13-15と再びリードを許しますが、16-17となった後は3連続ポイントで19-17。
この先の詰めを誤まるような田児選手ではありません。最終的には18本で締めました。
第2ゲームに入ると、田児選手、ほんの僅か、ギアを上げます。
ジャンピングスマッシュも見せますが、強打というより巧打。微妙なコースを狙い、空いたコースにシャトルを突き刺します。
11-5でインタバル。再開後、桃田選手が意地の4連続ポイント。
「守ってばかりじゃ勝てないと思って、積極的に行こうと」(桃田選手)
しかし、そんな桃田選手をガッシリと受け止め、見事に跳ね返しました。
16-9。19-10。
もはや不用意な失点すら自らに許すことなく、最後は12本で試合を終わらせました。
男子シングルスの世界レベルの戦い方。
時に田児選手は日本人選手相手に、残酷なまでに具現化して見せます。

 田児選手:同じチーム所属の桃田選手は好い資質を持っていますが、彼のためにも今は負けるわけにはいかないと思っています。その意味でも今日は勝てて良かった。6連覇のことは全く気にしていませんが、結果としてそうなればいいと思います。

 桃田選手:田児先輩との差で最も大きいのはフィジカルと経験。まだまだ及ばないが、僕もオリンピックでのメダル獲得を目標としている以上、いつかは倒さないといけない相手だと思っています。 




女子シングルス

準決勝2試合を全日本総合選手権の女子シングルスで8度の優勝を果たしている芝スミ子さんと女子ダブルスで7回と混合ダブルスで5回の合計12度の優勝実績のある栂野尾悦子さんと振り返ってみる。

廣瀬栄理子(ヨネックス)21-12 21-14 山口 茜(勝山高校)

意地を見せた廣瀬の貫録勝ち

 第1ゲームの立ち上がり廣瀬は体育館特有の風の判断ミスからクリアー、ロブを連続してバックアウトさせてしまい山口が4-1とリードする。栂野尾さんは山口の動きについて「相手のラケットの構えを見て素早く前に詰めるプレーはなかなか女性ができるものではないし、タッチが早い。」と話す。しかしゲームは落ち着きを取り戻した廣瀬が次第にペースを掴む。特にドライブを交えての攻めと得意のドロップは一枚上手で5-7から連続9ポイントを奪い14-7と山口を翻弄する。「山口は廣瀬の緩急を織り交ぜての攻めに自分のプレーを封じこまれている。しかし山口は体の反応が早くフォア奥へのショットに飛びついて打てるのは素晴らしい。」と芝さんはお互いに気持ちを前面に出したプレーを分析する。またシャトルのコースについて「昔はコーナーを狙って打っていたが、今はセンターでのクリアーやヘアピンが普通になってきている。」とプレースタイルの変化を話す。
ゲームはゆったりと自分のペースでラリーを展開する廣瀬が21-12と簡単にこのゲームを奪う。
栂野尾さんは「廣瀬は体が動いており、クリアー、ロブをしっかりコート奥に運べている。体調も十分ではないか」と廣瀬の強さを表現した。
第2ゲームに入っても廣瀬は動きの良さをみせ、決まったと思われるショットを拾い逆に山口のミスを誘い9-5と点差を広げていく。これに対して山口は「打たなかったのか?打てなかったのか?わからないが。」と芝さんが指摘したスマッシュを連続で放ってポイントを重ね9-9の同点にようやく追いつく。しかしこのゲームの廣瀬は慌てることなく長いラリーにも我慢して突き放していく。栂野尾さんは廣瀬のプレーについて「山口が自分のミスで点数を与えることがあっても、これだけやられることはない。」と話すほど完璧に近いプレーを終始展開し、このゲームも21-14で奪い決勝戦に駒を進めた。
「見事な勝ち方。ここでは負けられない気持ちの強さと配球の上手さが光る試合だった。しかし敗れた山口についてはこうした試合を一試合でも多くすることがプラスになるはずだ。」と栂野尾さんはこの試合を評した。

 敗れた山口は記者会見で「廣瀬選手はネット前がすごく速かったし、スマッシュを打っても奥までしっかり返ってきて全然崩れなかった。来年は挑戦者の気持ちを持ち続けながら勝ちに行った上で結果を残したい。」と話した。

三谷美奈津(NTT東日本)21-12 11-21 21-7 今別府香里(ヨネックス)

今年こそ優勝!自分の力を信じて2年連続の決勝へ

昨年のこの大会の決勝戦の再現となったこの試合。第1ゲーム序盤はお互いに手の内を探り合う静かな流れとなった。栂野尾さんは「昨年は大熱戦となった。今別府が勢いのある強いショットで攻めれば、三谷も若いこともありこれに対応していた。経験や間の取り方で今別府が上回り優勝した。1年が経って昨年とは違ったコースに球がくるとか、弱点と思われていた部分の対応が出来る様になっているとかお互いに成長を見定めて攻め手を探っている。」と話す。
ゲームが動いたのはインターバル明け後の三谷リードの11-10からのプレー。今別府は相手のショットを読みネット前に詰めながら決められず、簡単に甘いロブを上げて逆に決められてしまう。「もったいない。速いロブを返球するとか落として次のショットに賭ける方が良かった。」と芝さんは振り返る。結局このプレーで流れが三谷に傾いていく。今別府はチャンスをミスし自分から出してしまうちぐはぐなプレーで、三谷が21-12で奪った。
第2ゲームに入ると、三谷が「このゲームは足が止まってミスが続いてしまった。」と振り返ったように今別府は立ち直り、21-11と簡単に奪い返した。
栂野尾さんは「1ゲーム、2ゲームとも競らずにお互いにゲームを取ったので、ここからが本来の勝負。三谷が反省して切り替えられるか?出だしが大事。」とファイナルゲームのポイントを挙げた。
その立ち上がり三谷が連続5ポイントを奪い優位に進めていく。「ちょっとラリーが続かない。」と二人から言葉が出るほど一方的な展開となってしまう。「これだけアウトになるとこの点差になるよね。」と三谷が20-7でマッチポイントを掴むと最後はネット前のショットをネットインさせて2年連続の決勝戦に進んだ。

三谷は試合後「ここまできたら優勝を狙っている。」と力強くコメントした。

栂野尾さんは明日の決勝戦について「廣瀬はショットの精度の高さと、相手を見て切り替えられる力がある。一方三谷は世界で戦い経験を積み一寸やそっとでは崩れないと思う。ラリー一つひとつが見ごたえのある試合になると思うので楽しみだ。」と熱戦を期待していた。




男子ダブルス

平田 典靖/橋本 博且(トナミ運輸) 21-19 / 22-20 園田 啓悟/嘉村 健士(トナミ運輸)

絶対に負けられない戦い、最後までショットをコントロールした元王者が意地の勝利

若手ペアのホープとして様々な大会で結果を残すようになったのが3年前、しかし総合だけはなぜか勝てなかった。そんな23歳ペアの園田啓悟/嘉村健士が準決勝で総合3連覇の実績を誇る平田典靖/橋本博且に挑んだ。

第1ゲーム、スピードのある平田/橋本に対して園田/嘉村は積極的にシャトルに向かっていき、強力なドライブで応戦し、交互に点を取り合う接戦で5-5とする。平田/橋本が角度ある強力なスマッシュで園田/嘉村の狙うドライブレシーブを思い通りにリターンさせず12-7とリードを奪ったが、それでも全く引かずに前へ出るプレーを心掛けた園田/嘉村は追い上げを見せて19-19とする。しかしこの大事な場面で嘉村が痛恨のサービスミスをしてしまうと、最後は園田がドライブをネットにかけてしまい、平田/橋本が21-19で先取する。
第2ゲーム、早い展開の中で平田がネット前の球を立て続けにかけてしまい、低い展開を優位に進める園田/嘉村が7-4、12-9と中盤までリードする。しかし、さすがと言うべきか、ここからしっかりとショット1本1本の精度を上げてきた平田/橋本は次々と角度のあるショットを放って13-13と追いつく。その後はまさに一進一退の攻防、繰り広げられる強打と粘り強いレシーブで繋がるラリー、互いに点を取り合い、20-20とデュースになる。最後までしっかりショットをコントロールした平田/橋本が意地を見せ、22-20で決勝行きを決めた。終盤の高速でハイレベルなラリーの応酬に会場からは度々賞賛の大きな拍手が沸き起こった。

惜しくも敗れた園田/嘉村は「実力の差、点数とは裏腹に自分たちのプレーが最大限にできなかった。」と悔しさをにじませた。
一方、勝利した平田/橋本は4度目の王者をめざして強い気持ちで明日の決勝を戦う。

早川 賢一/遠藤 大由(日本ユニシス) 21-16 / 19-21 / 21-19 佐伯 祐行/垰畑 亮太(日本ユニシス)

猛攻撃をしのぎ切れ、正確なラリーが王者の条件

昨年度王者の早川賢一/遠藤大由が佐伯祐行/垰畑亮太の挑戦を受けた。同じチームであり、共にナショナルメンバー、この1年の自分たちの成長をよく分かっているからこそ佐伯/垰畑は下剋上挑戦への熱い気持ちと高まりを試合前に覗かせていた。

第1ゲーム、王者・早川/遠藤がその凄さを見せつける。佐伯/垰畑の強力なアタックを瞬く間にいなして相手の体勢を崩し、素早く球の下に入る遠藤と持ち前の強いリストを生かす早川は角度ある強力なショットを放って得点を重ね、16-10とする。その後、佐伯/垰畑は粘りのラリーから強打でスペースを突いて反撃するも、最後はロングサーブを早川がスマッシュ一発で沈め、早川/遠藤が21-16で奪う。
第2ゲーム、それぞれの持ち味を発揮した壮絶な打ち合いの接戦が展開される。佐伯/垰畑は前半だけで垰畑が2回もガットを切ってしまうほど積極的な波状攻撃を仕掛ける。ディフェンスに回る時間が長くなる早川/遠藤であるが、わずかにでも甘い球が来れば強力なドライブレシーブで切り返して応戦する。終始シーソーゲームで進んでいったこのゲームだったが、徐々にギアが上がってきた佐伯が後半になると次々にスマッシュを決め、最後の最後で抜け出した佐伯/垰畑が21-19で取り返す。
勝負のファイナルゲーム、第2ゲームの勢いそのままに佐伯/垰畑は強力なスマッシュをねじ込んで攻めたて、12-8とリードを奪う。しかし、ここで焦ることのなかった早川/遠藤は激しいラリーの中にも相手よりも速いタッチで正確なショットを繰り出して点差を詰め、15-15で追いつく。ここからは絶対に負けられない両者の意地がぶつかった点の取り合いとなったが、最後は「勝ち切るための重要な場面で細かいミスが出てしまった。」というように垰畑がドライブ系のつなぎ球をサイドアウトにしてしまい。早川/遠藤が21-19で勝負をものにし、決勝戦への切符を手に入れた。

明日の決勝戦で平田典靖/橋本博且(トナミ運輸)との3度目の頂上決戦を行うことが決まった早川/遠藤、世界で常に上位成績を残し続けることが目標であるだけに、共に世界を知る頂上決戦も絶対に勝利を掴みたい。




女子ダブルス準決勝

髙橋 礼華/松友 美佐紀(日本ユニシス) 21-12 / 21-16 三木 佑里子/米元 小春(北都銀行)

髙橋/松友、3連覇に死角無し

大会3連覇を目指す日本ユニシスの髙橋礼華/松友美佐紀と、3年ぶりにベスト4に進出した北都銀行の三木佑里子/米元小春が女子ダブルス準々決勝を戦った。強打と堅守速攻が持ち味のペア同士の対戦となった。
第1ゲームは2-2までは取り合うが、そこからは終始髙橋/松友のペースで試合が進む。食らいつきたい北都銀行ペアだが、押し込まれまいと大きく返していこうとするが、日本ユニシスペアの速攻が勝り、レシーブがアウトになることが多く、9-3、12-4と点差が広がっていく。松友の前衛の入りが早く、髙橋の強打に対するレシーブが甘くなったところに飛びついてプッシュを決めるパターンがはまり、21-12と余力を残して第1ゲームを奪った。
第2ゲーム序盤はシーソーゲーム。北都銀行ペアも第1ゲームを序盤で繰り返したミスが減って、7-5と競った展開。しかしそこから日本ユニシスペアが8-6、12-6と第1ゲームのようにリードを広げていく。一矢報いたい北都銀行ペアは長いラリーに堪えて7点目を奪ってから、3連続ポイントと反撃の狼煙をあげたかに見えたが、日本ユニシスペアが試合の流れを引き離さない。髙橋のスマッシュの波状攻撃がかなり相手を押し込んで、松友のプッシュに繋がり、最後は21-16と実際の点数以上に日本ユニシスペアの安定感が垣間見える結果となった。

「決まらぬ時に決めきれず、我慢しきれなかった。もう少し思い切れば良かった。自分たちがコントロール出来ていなかった。」と敗戦の弁を語った三木/米元であるが、移籍という大きな環境の変化を乗り越えてのベスト4は自信になったはず。今後の活躍を期待したい。

勝った髙橋/松友は試合後の記者会見では「昨日まではあまり自分たちらしいプレーが出来なかったが、今日は出来た。日に日に少しずつよくなっているので明日もそれが出せればと思う。」と意気込みを語った。明日は大逆転で決勝進出を決めた樽野恵/新玉美郷(NTT東日本)と対戦する。

樽野 恵&新玉 美郷(NTT東日本)
2(21-11、18-21、22-20)1前田 美順&垣岩 令佳(ルネサス)

 共にナショナルメンバー同士の対戦。
前田&垣岩ペアは、ペアとしてのキャリアは短いものの、ご存知のとおり、これまで国内外問わず十分過ぎるほどの実績を積み重ねてきた。
一方、樽野&新玉ペアは結成1年半。全日本社会人や総合などで着実に結果を残し、今年度はナショナルチーム入りを果たした。
1時間18分にも及んだ長丁場の大接戦を制し、最後に歓喜の瞬間を迎えたのは樽野&新玉ペアだった。
試合はもつれた。
第1ゲームの序盤は前田&垣岩ペアが順調に得点を重ねる。むしろ樽野&新玉ペアに緊張感がうかがわれ、ミスが多かった。
一時は2-8と開いたが、「あそこでしっかり修正できたことが良かった」
と、試合後、樽野選手が話してくれたように、中盤までには追いついてしまう。
対する前田&垣岩ペアは2回戦、準々決勝と2試合続けて第1ゲームを落としてきた。この試合の第1ゲームも中盤になるとミスが増え、失点を重ねた。
17オールとなり、ここからが勝負というところで、完全に失速。4連続失点を喫し、ゲームを手放した。
エンドが変わっても序盤は前田&垣岩ペアのペース。樽野&新玉ペアもしっかり喰らいついていく。
ただ追いつきかけては浮いたサービスを押し込まれたり、サービスレシーブでミスが出たりと、大事なポイントを失う。
そんな相手のミスに乗じ、前田&垣岩ペアは17-10にまでリードを広げた。このまま第2ゲームを奪い、ファイナルゲームへという流れも見え始めたのだが……。
どうしても一気呵成にとはいかない。6連続失点で17-16。アドバンテージを吐き出してしまった。こうなると、追う側の強みかとも思ったのだが、19-18で樽野選手がヘアピンをネットにかけてしまい、どうにか逃げ切った。
たらればは意味がないけれど、仮にあそこで19オールとなったら、第2ゲーム最終盤は分からなかった。
ワンゲームオール。前田&垣岩ペアは並んだことで本来の力を発揮できるだろうか?樽野&新玉ペアは要所でミスが出ているのがもったいないのだが、随分とダブルスらしいペアに成長していた。
前田&垣岩ペアの不安要素に気づいた。それは、このペアには得点のバリエーションが少ないということ。
樽野&新玉ペアは両選手とも威力のある強打が打てる。加えて、何よりアクセントになっているのが、ネット前で張る樽野選手の巧打だ。元々シングルスの頃から樽野選手の巧みなラケット捌きには定評があったけれど、ダブルスの前衛で、その持ち味は如何なく発揮されている。
"強さ"と"経験値"で圧倒的に勝る前田&垣岩ペアだが、よく言われる"球を作る"という部分で遅れを取っている。
そして迎えたファイナルゲーム。連続得点の少ない、好ゲームとなった。チェンジエンドはここでも前田&垣岩ペア。だが、樽野&垣岩ペアも懸命に喰らいついていく。
前田&垣岩ペアの18-16で迎えた最終盤。
垣岩選手がサービスをフォルト。18-17。
今度は新玉選手がジャンピングスマッシュを2本レシーブされた後のスマッシュをネットにかける。19-17。
絶妙なネットクロスを決めて、20-17。
ここで勝負ありかと思われたが、新玉選手のドライブショットが相手の真ん中を貫いた。
20-18。
この後、2本、垣岩選手のショットがネットにかかり、遂にジュース。
締めは樽野選手だった。コートの隅に絶妙のコントロールでスマッシュを打ち込み、迎えたマッチポイントで相手レシーブが力なく浮くと、強烈なスマッシュを叩き込んで決着をつけたのだった。
樽野恵選手:相手は格上です。強いし、経験も豊富。私たちはできることをやるだけでした。試合序盤は良くなかったけれど、試合中に修正できたことが大きい。ペアとしての経験も積んできたし、ダブルスをやる上ではコミュニケーションが大事ということも分かってきました。ナショナルチームで海外遠征にも行かせてもらって積んだ経験のおかげで、今日のような風のあるコートでの対処法も分かってきました。明日は失うものは何もないペアです。思い切って挑戦します。
前田美順選手:場面、場面で、狙いに行ける所を詰め切れなかった。もっと攻めていけたら良かったと思います。無難に攻め過ぎました。




混合ダブルス準決勝

嘉村 健士(トナミ運輸)/米元 小春(北都銀行) 21-17 / 21-16 井上 拓斗/髙橋 礼華(日本ユニシス)

連覇まであと1勝、爆発力の差を見せつけた嘉村/米元が決勝へ駆け上がる

昨年度総合王者の嘉村健士/米元小春が、ランキングサーキット優勝の井上拓斗/髙橋礼華と対戦した。井上/髙橋は今年から組み始めた新鋭ペアであり、5年目を迎える嘉村/米元にどう立ち向かっていくのかが注目された。

第1ゲーム、それぞれの持ち味が現れ接戦模様で幕が開ける。井上/髙橋は軽やかな動きから緩急を使いつつ、2人の強打をしっかり決めていく。一方の嘉村/米元も、ひとたび攻撃に転じれば勢いあるアタックでポイントを奪う。8-8の場面で米元が甘い球を思い切りのよいスマッシュで沈めると、攻撃のリズムが良くなった嘉村/米元が攻めたてて18-9と大量リードを奪う。簡単には落とせない井上/髙橋は、ここから井上がコースを突いたスマッシュを多用して追い上げるも、最後はアウトと判断して見送った球がインとなって21-17で嘉村/米元が先取する。
第2ゲーム、独特の遊び心を持った嘉村のプレーにミスが相次ぐなどして井上/髙橋が7-2とリードを奪う。しかし勢いに乗ったら手が付けられないのが嘉村/米元。スイッチの入った嘉村がスマッシュ、ドライブ連打の速い展開にラリーを先導すると、米元もしっかりと球を沈めて一気に逆転、11-8とする。その後、追いつかれはするものの要所要所でしっかり攻めきって主導権を渡さなかった嘉村/米元が、最後は米元のスマッシュで21-16として決勝進出を決め、ハイタッチを交わした。

晴れて明日の決勝で連覇に挑戦することとなった嘉村/米元は「自分達の力をしっかり出せれば十分に可能性はあると思う。決勝はフェイントやサイドの揺さぶりを使ったり、バリエーションのある球を出してくる相手なので、しっかりゲームの中で対処していけたら勝機がある。」と意気込みを語ってくれた。




Dec 7, Semi-finals

MS
Tago beat Momota 21-14,21-16
Ueda the first time beat second seeded Sasaki 21-16, 21-18

WS
Hirose beat Yamaguchi 21-12,21-14

Hirose overwhelmed Yamaguti with her clever and effective placements, also accurate defense shots.
Yamaguti could not show her usual play style of persistent rally.

Mitani beat Imabeppu 21-16,17-21,21-6

MD
Hirata & Hashimoto beat Sonoda & Kamura 21

Hayakawa & Endo beat Taohata & Saeki 21-16,19-21,21-19

WD
Takahashi & Matsutomo beat Miki & Yonemoto 21-12,21-16

Taruno & Aratama beat Maeda & Kakiiwa, 2nd seeded pair 21-1718-21 22-20

At final game, Taruno & Aratama got 5 consecutive points at fatal 17-20 to 22-20 to win the match.

XD

Hayakawa& Matsutomo beat Hashimoto & Maeda 21-14,21-15

Kamura & Yonemoto beat Inoue & Takahashi 21-17,21-16