観戦記 12月26日(木)大会2日目(本戦)

男子シングルス

インカレ優勝の増本康祐(法政大学)とインターハイ優勝の髙野日向(埼玉栄高校2年)が顔を合わせた。「高校生チャンピオンには負けられない。緊張したが、自分か向かっていく気持ちでやっていけたのがよかった」という増本が最後まで攻撃の手を緩めず、17本15本で勝利した。草ノ瀬悠生(瓊浦高校2年)は奈良岡功大(NTT東日本)、西尾寿輝(東大阪柏原高校2年)は宮下怜(明治大学)にそれぞれ敗れ、高校生は姿を消した。 勝ち上がった増本は、2回戦での奈良岡との対戦について、「自分は向かっていくだけ、この一試合にかけて出し切りたい。攻めさせてもらえるかわからないが、ベストを尽くしたい。」と話し、188cmの長身を活かしたアタック力が世界トップレベルの奈良岡にどこまで通じるのか注目したい。

女子シングルス

全日本総合本戦は通常32枠で争われるが、なるべく多くの選手が本戦出場をできるようにする、予選を含めた試合数を抑えるため、女子シングルは36枠での組み合わせとなり、本日2回戦までが行われた。
中学生で唯一勝ち上がりを決めた芳賀凛歩(ふたば未来学園中学校3年)がディフェンディングチャンピオンの杉山薫(BIPROGY)に挑んだ。「1ゲーム目はラリーについていけたし、自分の球も結構決まって点数を取ることができた」と振り返った芳賀がしっかりと喰らいついていく。一方の杉山は、「(ふたば未来学園の)後輩で、羽根を一緒に打ったことがあったり、結果を見てたりしてすごいいい選手っていうのは分かった上でコートに入った。中学生だけど体幹もしっかりしてるし、パワーが結構強いなっていうイメージ。力強い球で返ってきたり、すごい粘れる選手」と評すも、慌てず着実に得点を重ね、17本で1ゲーム目を奪う。2ゲーム目はスピード、ショットの精度を上げた杉山に芳賀がついていけず、杉山が8本で3回戦進出を果たした。敗れた芳賀は、「今回の経験を活かして、来年高校一年生なって福島県予選が結構きついが、インターハイに出られるように頑張りたい。」と次なる目標を語った。
松田仁衣菜(福井工業大学附属福井高校3年)との高校生対決を制した宮崎友花(柳井商工高校3年)、奥原希望(太陽ホールディングス)、山口茜(再春館製薬所)らも順当に3回戦進出を決めた。

男子ダブルス

インカレ優勝の佐藤椎名/吉田翼(日本体育大学)が武井優太/遠藤彩斗(NTT東日本)に挑んだ。ともに速いテンポでドライブを軸とした低空戦からの攻撃を得意としており、手に汗握る接戦となった。お互いにゲームを取り合って迎えたファイナルゲーム、序盤に連続ポイントを奪った武井/遠藤が主導権を握って、21-14と押し切り、試合を決めた。
今大会優勝候補筆頭の岡村洋輝/三橋健也(BIPROGY)、山下恭平/緑川大輝(NTT東日本)は危なげない展開で2回戦進出を果たした。
また、5つの高校生ペアが2回戦進出に挑戦したが、壁は厚く、1回戦敗退となった。

女子ダブルス

パリ五輪銅メダリストの志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)と佐藤灯/田口真彩(ACT SAIKYO)が対戦した。11月3日のSJリーグさいたま大会では志田/松山に軍配が上がっており、佐藤/田口にとっては雪辱を果たしたいところだ。第1ゲームは連続ポイントを重ねた志田/松山のペースで21-7。第2ゲームは「上げすぎてしまった」と反省したものの、要所を押さえた志田/松山が22-20とした。「今年最後になるので、全部出し切れるように一つひとつ頑張っていきたい(志田)」、「自分たちの今できることを精一杯やって、その結果が優勝だったらいいなと思う(松山)」とそれぞれ総合にかける思いを語った。
ナショナルB代表の廣上瑠依/加藤佑奈(再春館製薬所)がインターハイ2位の松田仁衣菜/相磯美心(福井工業大学附属福井高校3年)と対戦。1ゲーム目を高校生ペアに奪われる苦しい展開となり、2ゲーム目とファイナルゲームともに1点を争う好ゲームとなるも両ゲーム終盤で意地をしっかり見せて連続ポイント奪った廣上/加藤が2回戦進出を決めた。
新しいペアリングで注目度の高い福島由紀/松本麻佑(岐阜Bluvic/ほねごり相模原)、五十嵐有紗/櫻本絢子(BIPROGY/ヨネックス)はともにストレートで勝ち上がりを決めた。

混合ダブルス

ナショナルA代表の西大輝/佐藤灯(龍谷大学/ACT SAIKYO)が世界ジュニア3位の澤田修志/玉木亜弥(埼玉栄高校2年/四天王寺高校3年)と対戦した。澤田/玉木は10月中旬の世界選手権、西/佐藤は11月中旬の中国マスターズ以来の混合ダブルスとなった。「国内で組む機会が少ない中、相手が高校生でプレッシャーがあったが、自分たちのプレーができた」という西/佐藤が15本13本で2回戦に駒を進めた。「上を見過ぎると自分たちのプレーができなかったりすることが多かったので、どんな相手でも一つ一つの試合を勝ちに行った結果がいい成績だったら一番うれしい」と佐藤が意気込みを語った。
また、全日本社会人を制した古賀輝/福島由紀(NTT東日本/岐阜Bluvic)、シード勢の緑川大輝/齋藤夏(NTT東日本/ACT SAIKYO)、柴田一樹/篠谷菜留(NTT東日本)、渡辺勇太/田口真彩(BIPROGY/ACT SAIKYO)らは順当に勝ち上がりを決めた。

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