

ゲーム マッチ ワン バイ 田中湧士さん 21-19,21-17。
今大会のラストゲームである男子シングルスが無事に終わった。「すごい試合だったね」「あのショットがすごかった!」「いつか総合に出場したい!」と名残惜しそうに帰る観客からの声を聴きつつ、運営は猛スピードで片づけが進んで行く中、武蔵野の森 総合スポーツプラザのある一室の片隅でパソコンに向かって本稿を書いている。
全日本総合がこの年末の実施となった2020年から5回目となり、この日程にも慣れたものの、仕事納めのバタバタ感、バドミントン日本一を決めるお祭り全日本総合のワクワク感から一転、一気にくる年末感の格差には慣れず寂しさを感じる。
改めてこの1年間を振り返ると、年明け1月1日の能登半島地震、羽田空港での旅客機炎上から始まり、石破政権誕生、アメリカ大統領選でトランプ氏の勝利、物価上昇や円安、そしてパリオリンピックなどがあり、例年になく盛沢山だったと思う。バドミントン界で言えば、なんと言っても志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)のパリオリンピック銅メダル獲得であろう。また、日本バドミントン協会の債務超過の危機や2004年から20年続いた朴柱奉ヘッドコーチ体制の終了など激動の一年だったと言えるだろう。
バドミントンでは「最後の一球まで、シャトルに向かって一歩を出す」ことが大事である。また、パリオリンピックが終わり、新しいペアリングが目立ち、試合後のコメントを聞いていると、「コミュニケーション」「二人で話し合いながら改善していきたい」と端々から聞こえてくる。協会は、4月に『パーパスビジョン』を発表し、12年後に目指す状態/ターゲットに向けて動き出した。パートナーシップ・賛助会員プログラムなどにより、『スポーツを通じて「こころ躍る・豊かな」世界を創る。』を目指している。多様なステークホルダーとコミュニケーションを深めながら、まず一歩踏み出し、様々な課題を解決して、よりプレーヤーファーストでワクワク感と夢が持てるバドミントン界となることを期待するだけでなく、サポートをしていきたい。この大会の結果を受けて、2025年代表が決定する。1/21に発表される予定になっており、大堀ヘッドコーチの新体制にも期待したい。
気付けば、アリーナはきれいに片付いていたので、そろそろ終わりたいと思うが、無事に大会を終えることができたのは、観客・サポーター・選手・チームスタッフ・運営スタッフ・メディアの皆さまのご理解とご協力によるものであると改めて感謝したい。