観戦記 12月29日(月)大会5日目(本戦準決勝)

男子シングルス

世界ランキング9位で初優勝を狙う奈良岡 功大(NTT東日本)と世界ランキング14位で2016年以来の優勝を目指す西本 拳太(ジェイテクトStingers)が対戦した。直近では、11月に行われた熊本マスターズの決勝、そこでは、ファイナルゲームの末、奈良岡に軍配が上がっている。

第1ゲーム序盤は連続ポイントで12-6と奈良岡有利で進む。西本は我慢のラリーでなんとかついていくが、21-19で奈良岡が奪う。「西本さんのディフェンスがすごくよくて、熊本マスターズの時より返ってきた。(2ゲーム目)行こうと思ったが無理だった」と奈良岡が振り返ったように、西本にことごくリターンされ、なす術なく6本で奪われてしまう。

ファイナルゲームも西本先行で進むが、中盤からギアを上げて攻撃に転じた奈良岡の作戦が功を奏す。丁寧な配球で崩してから強打で追い込んで15-15と追いつく。最後は怒涛の6連続ポイントで21-17として、84分の死闘を制し、大きくガッツポーズで喜びを表現した。奈良岡は決勝に向けて、「体はかなりきつい。気持ちで負けないよう、しっかりと準備をして精いっぱい、頑張りたい」と語った。

もう一方の試合は、昨年の決勝戦と同じ顔合わせとなる田中 湧士と武井 凜生(ともにNTT東日本)が対戦した。

同じチームでお互いを知った中、1ゲーム序盤は先輩の田中は連続得点で10-6と先行するも、「とにかく拾い続けることが相手にとってプレッシャーになる」という武井が、テンポよいフットワークから放たれるキレのある田中のスマッシュをことごとくリターンしていく。我慢のラリーで6連続ポイントを奪った武井が流れを引き寄せる。その後お互いに点を取り合うも、勢いに乗った武井が22-20で押し切る。2ゲーム目は、「3回目の優勝、連覇を目指す中でいろいろな気持ちがあって、思い切ってバドミントンができなかった。自分が受けに回ってしまった。」という田中は動きに精彩を欠き、武井が21-7で2年連続の決勝進出を決めた。

試合後、武井は、「昨年は2位という結果に終わってしまったので、今年は優勝できるよう、これから気持ちを切り替えて準備していきたい」と力強く語った。

女子シングルス

準々決勝で同世代のランキング格上の郡司 莉子(再春館製薬所)を破って勢いに乗る水津 愛美(ACT SAIKYO)が日本のエースである山口 茜(再春館製薬所)に挑んだ。第1ゲームはショットの精度、タッチのスピードなどで圧倒した山口が21-7で奪う。第2ゲームは水津が我慢のラリーで喰らいついていくが、中盤6連続ポイントで抜けだした山口が21-15で決勝進出を決めた。

5度目の優勝を目指す山口は、「今大会、宮崎選手はすごく調子がよさそう。自分から向かっていくプレーをしたい。リズム感覚やシャトルへの入り方もよくなってきている。明日が本当に今年ラストなので、今年一番くらいのプレーができるように頑張りたい。」と意気込みを語った。

5度優勝を誇る30歳の奥原 希望(東京都バドミントン協会)とディフェンディングチャンピオンで19歳の宮崎 友花(ACT SAIKYO)の新旧女王対決となった。「日本でも海外でも、あまり試合をしたことがなく、まだ1回ぐらいしか勝ったことがない相手。自分がチャレンジしていく」という気持ちで臨んだ宮崎が、トップスピードでラリーを展開していく。奥原は巧みな配球、ゲームメイクで対抗するが、コート内をしっかり動き回る宮崎が強打を決めていく。終わってみれば、第2ゲームの最初のポイントを除いて、終始宮崎がリードして、21-15、21-17で決勝進出を決めた。

明日の決勝戦に向けて宮崎は、「(山口選手は)これから世界で戦っていく中で、勝っていかないといけない選手であり、勝ちたい選手でもある。チャレンジして、相手よりも1本、2本多く取れるように頑張りたい」とチャレンジャーとしての強い気持ちを語った。

一方、敗れた奥原は、「2年前に対戦した時に比べて、彼女は大きく成長していたと感じた。パフォーマンスは今出せる自分の100は出せたとは思うが、試合勘や練習の不足が出てしまった。」を話した。

男子ダブルス

男子ダブルスの準決勝は、2試合とも昨年と同じ対戦となった。

前回王者の山下 恭平/緑川 大輝(NTT東日本)は、熊谷 翔/西 大輝(BIPROGY)と対戦した。西が前に出て、熊谷が後衛からの強打の得意の形を作れば、もう一方の緑川/山下は、テンポよいローテーションで、守りから攻撃への転換、連続攻撃で対抗する。勝敗の分けたのは、レシーブだった。連続攻撃を凌いで自分たちのプレーを貫いた緑川/山下が18本16本のストレートで連覇に王手をかけた。

もう一試合では、岡村 洋輝/三橋 健也(BIPROGY)と霜上 雄一/野村 拓海(日立情報通信エンジニアリング)が対戦。昨年のリベンジに燃える岡村/三橋は、「相手はドライブ戦やネット前の技術が高いので、自分たちが先手先手の戦略」のとおり、積極的に仕掛けて、攻撃の形を作っていく。混合ダブルスでも準決勝進出の霜上に疲れが見えるのに対して、「総合に向けて、海外の試合が空いて、しっかり練習できて、フィジカル的にもいい状態」の岡村/三橋は連続攻撃で畳みかけ、11本10本で決勝進出を決めた。

女子ダブルス

福島 由紀/松本 麻佑(岐阜Bluvic/ほねごり相模原)が棄権(福島はふくらはぎを痛め、松本はすねの痛みが強まったため)したため、1試合のみの実施となった。

ペア結成間もないながら、海外転戦を通して着実に成長・実績を積んできている保原 彩夏/廣上 瑠依(ヨネックス)とオリンピックメダリスト同士の新ペア・志田 千陽/五十嵐 有紗(再春館製薬所/BIPROGY)が対戦した。

第1ゲームは圧倒的な連続攻撃で10連続ポイントを奪った志田/五十嵐が21-14で奪う。第2ゲーム、「攻めが単調になってしまった(志田)」という志田/五十嵐に対して、我慢強いラリーで相手をしっかり左右に振ってから自分たちの攻撃の形を作った保原/廣上が延長ゲームを22-20で奪い返す。

ファイナルゲームは、「(2ゲーム目の)自分たちの形をつくれないところから、立て直して自分たちの形につなげるプレーができたのは収穫だった(五十嵐)」という志田/五十嵐が、スピード・パワー・気迫ともに圧倒して、21-8で決勝進出を決めた。志田は、「明日は今日の反省を生かしてやるだけ。2人で優勝できるように頑張りたい」と力強く語った。

混合ダブルス

新しいペアリング同士の古賀 輝/齋藤 夏(ジェイテクトStingers/PLENTY GLOBAL LINX)と緑川 大輝/松山 奈未(NTT東日本/再春館製薬所)が顔を合わせた。

準決勝のオープニングゲームとして会場の観客が固唾を飲む中、攻守が目まぐるしく入れ替わる緊張感ある第1ゲーム序盤となる。空きスペースへのショットに対して素早い反応を見せた緑川/松山が強打を叩き込んで5連続、7連続ポイントを奪い、流れを引き寄せて21-12で奪う。第2ゲームに入っても「いいテンポで攻撃ができた」という緑川/松山が終始リードして21-16で決勝進出を決めた。

敗れた古賀/齋藤は、「ベスト4は自分たちのなかでは最低限の結果でスタートラインのイメージ。1月にマレーシアオープンとインドオープンに出る予定で、一戦一戦、1つでも多く勝てるように頑張りたい(古賀)」と話した。

もう一試合は、霜上 雄一/保原 彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)と渡辺 勇大/田口真彩(J-POWER/ACT SAIKYO)の対戦となった。第1ゲームは1点を争う展開から渡辺/田口が19-15とリードしたが、集中力を切らさなかった霜上/保原の6連続ポイントで逆転されて19本で奪われてしまう。追う苦しい展開となったものの、自分たちのプレーに集中した渡辺/田口は、終わってみれば、第2ゲーム、ファイナルゲームともに一度もリードを許さず、いずれも11本で奪い、決勝進出を決めた。

表彰式

準決勝終了後、各種目の3位入賞者の表彰式が実施された。入賞者は以下の通り(試合番号順)

男子シングルス:西本 拳太(ジェイテクトStingers)、田中 湧士(NTT東日本)

女子シングルス:水津 愛美(ACT SAIKYO)、奥原 希望(東京都バドミントン協会)

男子ダブルス:熊谷 翔/西 大輝(BIPROGY)、霜上 雄一/野村 拓海(日立情報通信エンジニアリング)

女子ダブルス:福島 由紀/松本麻佑(岐阜Bluvic/ほねごり相模原)、保原 彩夏/廣上 瑠依(ヨネックス)

混合ダブルス:古賀 輝/齋藤 夏(ジェイテクトStingers/PLENTY GLOBAL LINX)、霜上 雄一/保原 彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)

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