アクセルセン&桃田を軸に展開
2人を凌ぐライジングスターは現れるか!?
2017年9月以降、ごくわずかな期間を除き、世界ランキング1位の座は1994年生まれの才能ある2人が奪い合ってきた。
東京五輪の金メダリスト、ビクター・アクセルセン(デンマーク)と、2018年、国際大会で歴代最多の11勝を挙げ、約3年間、世界1位に座った桃田賢斗(日本)だ。男子シングルスは、第1シードと第2シードの2人が優勝候補として立ち、次世代の選手たちが追いかける構図ができている。
アクセルセン&桃田が優勝候補
トップ2のうち、絶好調なのがアクセルセンだろう。東京五輪後も休まず主要トーナメントに出続け、この1年間のワールドツアーで7勝を挙げた。金メダルで自信を得た28歳は、ネット前が一段と安定し、アタック力に磨きがかかっている。世界選手権でもすべてを打ち崩す勢いで、大砲を放つはずだ。
一方、桃田は、多彩なネットプレーで2大会ぶり3回目の優勝を狙う。東京五輪でまさかの予選リーグ敗退を喫し、ワールドツアー優勝も昨年11月以降、遠ざかっているが、「東京で開催される世界選手権のチャンスを死に物狂いでつかみにいく」と誓っている。
桃田はいかに勢いある選手を止めるか
この2人を追いかけるのは、東京五輪以降、ブレイクした選手たちだ。頂点を渇望する選手たちは、桃田のいる下の山に集中した。
まず、3回戦挑戦者筆頭の21歳のラクシャ・セン(インド)。コートカバー力のある足を生かし、5月のトマス杯でインド初優勝の立役者になった。桃田はここでインドのスターを下したとしても、準々決勝では、おそらく21年全英オープンを制した新鋭・リー・ジージア(マレーシア)が向かってくる。筋肉の鎧をまとう24歳の猛攻はやっかいだろう。
さらに東京五輪後、ブレイクした前回王者のロー・ケンユー(シンガポール)が、世界3位のアンダース・アントンセン(デンマーク)を倒し、準決勝に上がってくれば、桃田は世界一といわれるローの素早い動きをどう止めるかが課題になる。
打倒・アクセルセンに燃えるベテランたち
一方、アクセルセンがいる上の山は、ベテラン勢がしのぎを削る。
東京五輪の銅メダリスト、アンソニー・シニスカ・ギンティング(インドネシア)は、準々決勝でアクセルセンと顔合わせそう。シャトルへの執着心が強いギンティングは、アクセルセンの強烈な一発をしのげれば、勝利への糸口をつかめるかもしれない。
また、32歳で、第4シードの周天成(チャイニーズ・タイペイ)は、今なお衰えぬ豪打で、初優勝を目指す。準々決勝で同じアタッカーのヨナタン・クリスティ(インドネシア)をどう攻略するかが、メダル獲得のカギになる。
日本からは、桃田以外に3人が出場。東京五輪代表の常山幹太、18年アジア大会銅の西本拳太、次期日本のエースとして期待される奈良岡功大は、日本の声援をバックに一つでも多く勝ち抜いてほしい。
『写真:BADMINTON PHOTO/日本バドミントン協会/T.KITAGAWA』
『PHOTO:BADMINTON PHOTO/NBA 2022/T.KITAGAWA』
世界選手権・男子シングルス優勝者 (2013~2021年) |
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2021年 | ロー・ケンユー(シンガポール) |
2019年 | 桃田賢斗(日本) |
2018年 | 桃田賢斗(日本) |
2017年 | ビクター・アクセルセン(デンマーク) |
2015年 | 諶龍(中国) |
2014年 | 諶龍(中国) |
2013年 | 林丹(中国) |
世界選手権2021メダリスト | |
金メダル | ロー・ケンユー(シンガポール) |
銀メダル | スリカンス・キダンビ(インド) |
銅メダル | ラクシャ・セン(インド) |
銅メダル | アンダース・アントンセン(デンマーク) |