8月25日の見所(3回戦)

男子シングルス

西本拳太は奈良岡を破ったクンラブット・ヴィチットサーン(タイ)と対戦

西本拳太(日本)
西本拳太(日本)

 3日目までドローは緩やかだったが、明日から熾烈を極め、好カードが連続する。

 1回戦、世界ランキング3位のアンダース・アントンセン(デンマーク)を下す大金星をつかんだ西本拳太(WR21位)は、スウェーデン選手との2回戦もファイナルゲームで撃破。3回戦では、奈良岡功大(WR31位)を下したタイのクンラブット・ヴィチットサーン(WR17位)に挑む。

 2回戦では、「アントンセン選手に勝った価値を感じて、余計な力が入ってしまった」と振り返った西本だが、今回も会場からの拍手をしっかり力に変えた。

 「明日も厳しい相手ですが、自分ができる戦略をしっかり考えたい。次もたくさんの応援をお待ちしています」と西本。サポーターは27歳の背中を再び押してあげてほしい。

対戦成績=西本拳太が2勝1敗

東京五輪3位のインドネシアと
復活を期す中国のエースが激突

アンソニー・シニスカ・ギンティング(インドネシア)
アンソニー・シニスカ・ギンティング(インドネシア)

 東京五輪で銅メダルを獲得したアンソニー・シニスカ・ギンティング(WR6位)と中国の石宇奇(WR25位)の戦いもハイレベルなラリーが期待できる。2018年ファイナリストの石宇奇は、東京五輪以降、世界の表舞台から遠ざかっていたが、今大会で本格復帰した。

 世界ランキングは決して高くないが、実力十分な相手だけにギンティングは、「彼と対戦するのは久しぶり。直近で負けた試合を思い出し、十分準備して臨みたい」と警戒している。

 一方、石宇奇はギンティングについて「彼の特徴は世界トップクラスのスピード。大変な試合になると思うが、心の準備はしたい」と思いを口にした。

対戦成績=石宇奇が6戦全勝

女子シングルス

リオ五輪の金メダリストが
中国の2番手に「挑戦」

キャロリーナ・マリン(スペイン)
キャロリーナ・マリン(スペイン)

 女子シングルスは、史上最多4回目の世界タイトルを目指すスペインのキャロリーナ・マリン(WR5位)と、中国の2番手・何冰嬌(WR9位)の対戦が好カードだ。

 実績は、リオ五輪の金メダリスト・マリンが上だが、左ひざの靭帯断裂から復帰したばかりで、今回は挑戦者として挑む。「今回は、優勝は最優先していない。自分がどこまでやれるか確認したい」とマリン。

 一方、ユーバー杯で6戦全勝した何冰嬌は、リベンジに燃えている。

 「(東京体育館は)16年のジャパンオープンで私がマリン選手に勝って優勝した場所。でも翌年、私が決勝でマリン選手に負けたので、今回はリベンジしたいです」

 いずれも攻撃的なプレーが持ち味で激しい打ち合いが期待できる。

対戦成績=キャロリーナ・マリンが6勝1敗

髙橋沙也加(日本)
髙橋沙也加(日本)

 このほか女子シングルスは、日本対決にも注目だ。2連覇を狙う山口茜(WR1位)と髙橋沙也加(WR14位)が顔を合わせる。世界での対戦成績は、多彩な攻撃を仕掛ける山口が9戦全勝。髙橋は、山口の胸を借りる思いで挑む。

 さらに中国対決も白熱しそうだ。王祉怡(WR11位)と韓悦(WR22位)はいずれも22歳。次期エースの座を狙っての意地の張り合いが見られるだろう。

対戦成績=山口茜が9戦全勝
対戦成績=王祉怡が3戦全勝

男子ダブルス

保木/小林と古賀/齊藤が3回戦に進出
16強入りをかけての戦いに挑む

保木卓朗/小林優吾(日本)
保木卓朗/小林優吾(日本)

 男子ダブルスは、2連覇を目指す保木卓朗/小林優吾(WR2位)と、ムハマド・ショヒブル・フィクリ/バガス・マウラナ(WR18位)の対戦がおもしろそう。

 フィクリ/マウラナは、今年の全英オープンを制した新鋭。保木は「油断すると足をすくわれる」と警戒を強め、「優勝が最大の目標だが、焦らず自分のプレーを出すことだけを考えたい」と明日の一戦に集中することを誓った。

対戦成績=保木卓朗/小林優吾が2勝1敗

 日本の2番手・古賀輝/齊藤太一(WR22位)と、インドネシア3番手ファジャル・アルフィアン/ムハマド・リアン・アルディアント(WR5位)と激突する。

 両ペアとも高みを目指し、駆けあがっていく者が持つ独特の勢いがある。「日本選手はスタミナがあるのでしっかり準備して臨みたい」とはアルフィアン。古賀は「とにかくサービスまわりがうまい相手。焦らずにやりたい」と語り、しっかりラリーに持ち込んで勝機をつかむつもりだ。

 

対戦成績=ファジャル・アルフィアン/ムハマド・リアン・アルディアントが2勝1敗

女子ダブルス

永原/松本が中国2番手の挑戦を受けて立つ

中西貴映/岩永鈴(日本)
中西貴映/岩永鈴(日本)

 大会3日目、第2シードの福島由紀/廣田彩花(WR2位)は福島が左足ふくらはぎを痛めて棄権し、日本は3ペアが優勝を目指す。

 日本2番手の永原和可那/松本麻佑(WR5位)が対戦するのは、中国の伸び盛り・杜玥/李汶妹(WR19位)だ。杜玥は2019年の世界選手権で別のパートナーと銅メダルを獲得した実績があり、優勝への思いも強い。長身の攻撃型・永原/松本には「平常心を保ち、スピーディーにラリーを展開したい」と速さで対抗していく構えだ。

 一方、2回戦で永原は「緊張して自分たちのプレーができなかった」と反省したが、松本は「(中国戦では)自分たちの球が飛ばないという課題を修正したい」と冷静に対処していく構えだ。

 また、日本4番手の中西貴映/岩永鈴(WR21位)は、タイのジョンコルファン・キティタラクル/ラウィンダ・プラジョンジャイ(WR8位)に挑戦する。「メダル獲得が目標です」という中西は「タイペアは、攻めも守りも上手。明日は、今日決まっていた球が決まらなくなるので、粘り強く戦いたい」と思いを明かしていた。

対戦成績=いずれも初対戦

混合ダブルス

日本は2ペアが2大会連続メダルを狙う

山下恭平/篠谷菜留(日本)
山下恭平/篠谷菜留(日本)

 前回、銀メダルの渡辺勇大/東野有紗(WR3位)、銅メダルの山下恭平/篠谷菜留(WR29位)が順調にコマを進めている。

 スコットランドペアとの緒戦を圧勝で抜けた渡辺/東野は、明日、オランダのロビン・テーベリング/セレナ・ピーク(WR20位)にも優位に試合を進められそう。「(観客に金メダルをとる姿を)見てもらえるよう一生懸命プレーしたい」という渡辺をぜひ見てほしい。

 山下/篠谷は、タン・キャンメン/ライ・ペイジン(WR11位)で、いかに相手のコンビネーションを崩せるか。日本代表合宿では、渡辺/東野に「全然勝てない」という2人だが、前回の銅メダル獲得後、世界で勝てないことを反省し、「対話を増やした」という。パリ五輪出場という夢に向かう2人が格上に番狂わせを演じられるかが、見どころになる。

対戦成績=渡辺勇大/東野有紗は2勝1敗
対戦成績=山下恭平/篠谷菜留はマレーシアペアと初対戦

『写真:日本バドミントン協会/T.KITAGAWA』
『PHOTO:NBA 2022/T.KITAGAWA』