公益財団法人日本バドミントン協会

観戦記

平成30年度 第72回 全日本総合選手権大会

11月30日(金)準々決勝

男子シングルス準々決勝
2
  • 21-13
  • 21-9
0
女子シングルス準々決勝

追う者と追われる者、同学年対決は山口が格の違いを見せつけ快勝

2
  • 21-12
  • 21-15
0
  • 川上 沙恵奈 (北都銀行)

どんな因縁か、高卒3年目で同学年の山口茜と川上紗恵奈が全日本総合で対戦するのはこれが3度目である。今年は同じナショナルA代表として活動してきた2人が今年も日本一を目指して戦った。

第1ゲーム、緩急を使って大きく相手を振り回す山口と対照的に、川上は積極的に強打をコースに放って進めていく。ラリー全体ではやはり山口の方が勝っており、力感のないフォームから繰り出される正確無比なショットと厳しいドリブンクリアで川上を苦しめる。12-10の場面から配球にも冴えを見せた山口が6連続ポイントとすると、そのまま押し切って21-12で先取する。

第2ゲームに入ると、川上は持ち前のスピードを生かしてネット前のショットの選択肢を増やし、攻めるべき体勢を作って仕掛けるラリーで山口についていき14-14、接戦となる。山口は「このゲームではシャトルが飛んだので上げない配球をした」と言うとおり、バックハンドサービスに切り替えて低い展開で組み立てるなど、さらにリズムを変える。相手の意表を突き、甘く来た球をスマッシュで沈めて得点すると。ここから強力なスマッシュを軸に一気にポイントを奪取、最後は川上がバック側に来たスマッシュをリターンできず、21-15。や3度目の決戦も山口に軍配が上がった。

2
  • 21-18
  • 19-21
  • 21-15
1

攻撃的左腕同士の戦いとなったこの試合、B代表の髙橋沙也加が、昨年のファイナリストでありA代表の大堀彩に攻め勝った。

髙橋 沙也加コメント
「出だしよく第1ゲームを取れれば、2ゲーム目以降も何とか乗り切れると思って最初から飛ばした。2ゲーム目取られて正直あせってしまったが、ファイナルゲームは自分の持ち味を出して思いきりいこうと思ってプレーできた。今日の試合が山場だと考え、明日につながる勝ち方をしたかった。明日も自分の負けたくない気持ちを前面に出して、何が何でも勝ちいきたい。」
男子ダブルス準々決勝
2
  • 21-15
  • 18-21
  • 21-15
1
女子ダブルス準々決勝

再々戦は大激戦。苦しい試合も経験に勝る女王・福島/廣田が勝ち切る

2
  • 20-22
  • 21-16
  • 21-19
1

世界ランキング1位の看板を背負ってこの大会連覇に挑む福島由紀/廣田彩花が、春先まで同僚であった志田千陽/松山奈未と顔を合わせた。この対戦は全日本総合では一昨年の1回戦、昨年の2回戦に続き3年連続のマッチアップであり、志田/松山にとっては先輩ペアに勝って成長を証明したい大事な試合となった。

第1ゲーム、スピード感あふれる攻防のラリーでゲームが進んでいく。志田/松山は4-6の場面で長いラリーを制すると、志田が素早い詰めを見せ前衛で好反応連発、松山が後衛で根気強くスマッシュを打ち込むパターンで連続得点を奪い9-6とする。対して福島/廣田はドライブリターンを強く、厳しく配球し追い上げる。10-10で並んで以降は互いに攻め切っての点の取り合いが続き、20-20と白熱の延長ゲームにもつれ込む。2度相手のゲームポイントを凌いだ志田/松山が最後に怒涛の強打ラッシュを見せ、22-20とゲーム奪取に成功する。

第2ゲームは序盤から巧みなコース取りを見せた福島/廣田が、相手のミスを誘って6-1とリードを奪い、そのまま優位に進めていく。スピードで戦う志田/松山に対してタイミングを工夫して揺さぶり、得意のアタックでシャトルを沈めていく。後半の追撃を振り切り、福島/廣田が21-16と散り返した。

迎えたファイナルゲームは、死力を尽くした戦いとなる。ともに粘り強いレシーブで、相手のスマッシュに耐える緊迫したラリーが続く。より前方でのアタックにいかに持ち込むかが勝負の鍵となる。福島/廣田は、廣田がロングサービスを多用するなど相手に不完全な体勢で打たせ、強いリターンから崩せば、志田/松山は執拗なスマッシュと早いネットプレーを徹底して相手の隙を作り出す。終盤には福島/廣田のトップ&バック体制が強固なものになり、強打の雨を降らせて19-15とリードを奪う。しかし、集中を切らしていない志田/松山は 抜群のローテーションを発揮したアタックで4連続得点を奪い追いつく。この熱戦に会場の観客も固唾をのんで見守る。攻め勝ったのは福島/廣田だった。廣田がミドルコートからのスマッシュ連打でマッチポイントを取ると、最後は福島が2人の間にスマッシュを決めた。21-19として77分に及んだ大接戦は幕を閉じた。

2
  • 21-18
  • 23-21
0

ナショナルB代表ながら、今年のワールドツアーで好成績を連発し世界ランキングを10位まで上げてきた櫻本絢子/髙畑祐紀子が、格上(世界ランキング6位)のA代表ペアである米元小春/田中志穂をストレートで破った。強打にもあたり負けずに押し返すドライブと、髙畑がより前、より高い位置でシャトルを捌くことで引き出される、櫻本の多彩なショットを織り交ぜた攻撃が光った。

髙畑 祐紀子コメント
「1ゲーム目は自分たちの攻撃がはまった。2ゲーム目は相手に対策されたものの、その中でひるまず、我慢して前にシャトルを落としていき、自分たちの攻撃ができたのがよかった。今大会、A代表に食い込んでいきたいという思いで練習してきたので、この1年間でやってきたことをすべて出し切って戦いたい。」
櫻本 絢子コメント
「しっかりとそれぞれ自分たちの役割を最後までできたのがよかった。明日も自分のパフォーマンスを出し切ることを考えていきたい。」
混合ダブルス準々決勝

A代表入りを目指す2組のバトル、権藤/栗原が制して大きなリードを奪う

2
  • 21-14
  • 21-17
0

今年、混合ダブルスのB代表選手として活動してきた2組が準々決勝で対戦した。

試合開始早々、権藤の強力なスマッシュの打球音がコートにこだまする。権藤/栗原は相手がラリーを組み立てるよりも先に強打をねじ込んで得点をあげる。強打と栗原の前衛での抑え込みによって相手を翻弄し、11-3と快調な滑り出しを見せた。後半に入ると、落ち着きを取り戻した浦井/宮浦は、強い打球にも徐々に対応し、ラケット面をうまく工夫した返球で互角の戦いを見せる。しかし序盤の点差が重すぎた。セーフティーリードを生かした権藤/栗原が21-14で第1ゲームを奪う。

第2ゲームに入ると一進一退の展開で進んでいく。浦井/宮浦のアタック連携もうまく回り、前衛で宮浦が決める場面も増える。それでも栗原が前衛で我慢強くつなぎ、権藤/栗原も崩れない。11-10で後半戦に突入すると、強打だけでなく鋭いスライスショットを交えてラリーのリズムを作った権藤/栗原が徐々にリードを広げる。終盤、これまで豊富な運動量で引っ張ってきた浦井の足運びが鈍くなりミスが出てくると、権藤/栗原はさらなる攻勢に出て、畳みかける。最後は浦井のヘアピンがネットを越えず、21-17.権藤/栗原はこの大事な一戦をストレートでものにした。

この種目での現役唯一のオリンピアンである栗原を擁する権藤/栗原であるが「来年はオリンピックレースイヤーなので今回の大会はとても重要。失うものは何もないので2人で向かっていき、良い結果を残したい。」と、準決勝以降も我武者羅に戦っていく姿勢を示した。

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